具体的な行動計画におけるNGワードと、システムアーキテクト試験論述試験のNGワードの共通点

今週は、飯田剛弘『PMBOK対応 童話でわかるプロジェクトマネジメント』の

『桃太郎』を読みました。

「よし、みんな、まず鬼ヶ島に上陸する前後の情報収集作業を具体的にしていこう。キジくん、どう?」

「まず上陸前に島の状況を徹底的に把握します。次に鬼の屋敷をきちんと調べます。その情報を基に、今後の作戦を検討します。」

 (p178)

キジくんの「徹底的に」「きちんと」「検討します」という表現について、
桃太郎は具体的にするようにアドバイスするわけです。

解説でも、

「誰が」「いつまでに」「何をすべきか」という具体的な行動の計画を立てるためには、まずは曖昧な表現を避けることが重要です。

 (p182)

とあります。併せて、「具体的な行動の計画を立てる際のNGワード」として、

「管理する」「監督する」「把握する」「確認する」「チェックする」や、「検討する」「考える」「意識する」、「具体的に」「効率的に」「明確に」という表現を挙げています(全部で65単語紹介されています)。

 

似たようなことを最近聞いたなと思ったら、
システムアーキテクト試験の午後Ⅱの論述問題の参考書に、
同様のことが書いてありました。

金子則彦『システムアーキテクト合格教本』です。

“徹底的に”,“非常に”,“絶対に”,“確実に”,“全力で”といった強調表現を乱発しないほうが,良い論文になります。何事も“徹底的に”やれば,成功することが多いので,受験者が実行した工夫とはいいづらいからです。強調表現を控えて,“ここぞ!”という箇所のみで使うとよいでしょう。

(p495)

私も、こういう表現を「埋め草」的に使ってしまうことがあります。昔は気にしていたのですが(特に「検討」という表現を大きく嫌っていた時期がありました)、最近はそうでもなくなってきています。

「管理する」とか「チェックする」というのは、まだそこまで具体的に考えなくてもいい状況であれば、とりあえずの表現として使ってもいいのだと思います。しかし、具体的な行動を策定する際には使用するべきではないでしょう。

報告書的な文書でも、「検討した」なんていう表現は、わざと曖昧にしているのかと疑ってしまいそうです。具体的にできないということは、ホントは取り組んでいないのか、という疑念を持たれかねないという点で、論文試験での使用も控えるように指導しているのでしょう。