システムアーキテクト試験の午後II対策として私がやったこと(その1)
今回は、システムアーキテクト試験の午後Ⅱ対策として
私が実際にやったことを書こうと思います。
実際のメモ書き
対策の効果を見るために、まずは、対策前(本番のおよそ2か月前くらい)の午後Ⅱ演習のメモ書きをご覧ください。
問題は平成25年秋期のSA、午後Ⅱの問3(組込みシステムと信頼性設計)です。
なお、諸事情により一部モザイクが掛かっていますがご了承下さい。
一応、設問アからウまで、書く内容の項目を挙げてはいますが、このメモ書きから論述を展開するのは中々難しいです。
実際、このメモ書きを元に論文を書いていますが、設問アで力尽きてしまいました。
一方、こちらは、何回か演習を繰り返し、メモの書き方を大方決めた後の演習のメモ書きです。大体本番1か月くらい前でしょうか。
実はこれも、平成25年秋期のSA、午後Ⅱの問3であり、問題としては先ほどと同じものです。
こちらも、諸事情により一部モザイクが掛かっています。
1枚目の上半分は、問題文を整理したメモですが、このメモ書きは最終的には書かなくなりました。
1枚目下半分から、2枚目にかけてが、設問アからウまでの書く内容を項目立ててメモしたものです。
これだけしっかり項目立てしてあれば、
後はガリガリ書くだけというところまで行くことができます。
メモ書きの中身
さて、では対策を行った後のメモ書きの中身を説明してみます。
その前に、設問アの問題文から見てみましょうか。
設問ア
あなたが開発に携わった組込みシステムについて,その性能,機能などの概要と,信頼性設計の対象となった品質要件を,800字以内で述べよ。
さて、メモ書きのほうですが、
形としては以下のような感じです。
まず設問アでは、2つの節を立てています。
1つ目が「私が開発に携わった組込みシステムの概要」、
2つ目が「信頼性設計の対象となった品質設計」です。
メモ書きにはそんなこと書いてないじゃないか、って?
そうです。メモ書きにはわかりきっていることは書きません。
そんな時間はありません。
節の見出しは、基本的に設問文をそのまま引っ張ってきますから、メモ書きには書く必要がないのです。
特に、問3の設問アでは、高い確率で「あなたが開発に携わった組込みシステムの概要」を聞かれるので、これに至っては見出しが書かれる丸しか書いていません。
1節目では、
- 会社の説明
- 製品の説明
- 製品の課題
- 自己紹介
- プロジェクトの制約条件
を書いています。
私は1節目では、常にこの5つを書くようにしました。
このうち、自己紹介というのは、自分の立場を紹介したものです。
「私はこのプロジェクトのシステムアーキテクトである」
という一文です。
私が参考にした参考書2冊の、どちらにも自己紹介文は書くようにとありました。
(書く位置は、節の最初に持ってくるパターンと、節の最後に持ってくるパターンがありましたが、私は後者を採用しました)
プロジェクトの制約条件というのは、プロジェクトに与えられた時間的・人員的リソーセスの制約です。
この制約が、後々解決策を取捨選択する際の指標として働きますから、必ず書くようにしましょう。
特に今回の問題では、設問イで
「開発スケジュール、コスト設計などとの関係を含めて」
とあるので、プロジェクトの期間を書くのは必須です。
後々、ある解決策を採用しない理由として、
「今回のスケジュールでは間に合わないから」
と書くことを念頭に入れているのです。
2節目では、信頼性設計の対象となった品質要件を挙げています。
ここでは「ハードウェア(H/W)」と「ソフトウェア(S/W)」の2つのキーワードを入れています。
午後Ⅱの答案をどのように採点しているかを考えると、
基本的には減点方式であるだろうことは容易に想像ができます。
まさか、例年2000人程度に及ぶ、採点対象となる(=午後Ⅰまで合格した)
午後Ⅱの答案に対して、じっくり内容を読んで採点しているなんてことは考えられません。
設問で要求されていることがしっかり論述できているかを判断して、
論述されていないと判断されたら、その時点で不合格のボックスに放り込まれるのです。
では採点官はどうやって、設問で要求されていることが論述されているかを判断するのかと言えば、それはキーワードが含まれているかです。
設問イでは
「ハードウェアとソフトウェアの両面から」
という指示があります。
これを見越して、設問アの回答で既にキーワードを織り込んでいるのです。
※採点官がどんな基準で採点をしていそうか、については、
金子則彦『システムアーキテクト合格教本』が大変参考になります。
(その2に続きます)